ヘルニコアによる治療について
ヘルニコアによる腰椎椎間板ヘルニアの治療について
当院で注射薬による腰椎椎間板ヘルニア治療が受けられます。
腰椎椎間板ヘルニアに対し、保存治療と手術治療の中間的治療として椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア®椎間板注用1.25 単位)は、2018 年8 月から行えるようになった新しい腰椎椎間板ヘルニアの治療法です。
ヘルニコアによる腰椎椎間板ヘルニアの治療は、「医師要件」と「施設要件」を満たす医療機関でしか受けることができません。長野県で要件を満たしている医療機関はわずか20施設ほどしかありません。
当院は、日本脊椎脊髄病学会指導医が在籍しており、施設要件も満たしているためヘルニコアによる腰椎椎間板ヘルニアの治療が行えます。
ヘルニコアによる治療を希望される方は、当院整形外科にてご相談ください。
ヘルニコアとは
ヘルニコアの有効成分であるコンドリアーゼは、椎間板の中心部(髄核)の保水成分(プロテオグリカン)を分解する酵素です。
通常、髄核は保水成分が豊富にあり、水分を含んで膨らんだ状態にあります。これは、飛び出して神経を圧迫しているヘルニアの髄核でも同様です。
この髄核に適切な量のヘルニコアを注入すると、コンドリアーゼによって髄核の保水成分が分解され、水分による膨らみが適度にやわらぎます。その結果、神経の圧迫が軽減され、痛みやしびれが改善すると考えられています。
へルニコアは、ヘルニアを起こしている椎間板の髄核内に直接注射します。
当院では 1泊の入院でヘルニコアの投与を行っています。
ヘルニコアの治療手順
- レントゲン台に横になり体の位置を調整します。
X線でヘルニアのある椎間板を確認しながら、針を刺す場所を決めます。 - 針を刺す位置を消毒します。
- ヘルニアのある椎間板内に針を刺し、ヘルニコアを注射します。
- しばらく安静にします。
薬による副作用がないかなどの確認をします。 - 1泊入院にて経過を観察して、問題がなければ帰宅できます。
椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア注入)の注意点
- すべての腰椎間板ヘルニア方が受けられる治療ではありません。
この治療が受けられるかどうかは医師にご相談してください。 - 過去にヘルニコアによる椎間板内酵素注入療法を受けた方は、再度この治療法を受けることができません。
- 以下に該当する方は注意が必要です。治療前に必ず医師にご相談してください。
・アレルギー体質の方
・「腰椎不安定性」の疑いがあると医師から言われたことがある方
・変形性脊椎症、脊椎すべり症、脊柱管狭窄症などヘルニア以外の脊椎疾患のある方
・骨粗鬆症、関節リウマチのある方
・妊娠中の方 、妊娠している可能性のある方、授乳中の方