検査科
目次
検査科の紹介
臨床検査とはどのようなものか、みなさんご存知ですか?
血液検査で体のいろいろな成分を分析すること? 心電図で心臓の動きをみること? 肝炎やエイズにかかっているか調べること? もしかしたら血液型を調べることかもしれない? これらは全て臨床検査です。臨床検査とは医療にかかわる数多くの検査を行うことを業務としています。
現在の医療は客観的なデーターに基づく医療がなされていて、臨床検査は診断、治療にとって縁の下の力持ちとして欠かすことのできないものとなっています。検査科では臨床に役に立つ数多くの検査を実施し、医師をはじめ各医療スタッフとともに患者様中心の医療に貢献できる努力をしています。
当検査科では診察時に当日の検査結果をもとに医師の診断ができるように1時間以内の迅速検査を実施し、検査結果は院内の端末のどこからでも参照ができるようになっています。休日、夜間の緊急検査は携帯電話拘束制と輪番当番日には当直で24時間体制をとり、7名の臨床検査技師が当番制で対応しています。
検査の受け方(検査時の注意)
5月より採血室をリニューアルし、採血管準備装置の更新に伴い、採血台および自動受付機を設置しました。
受付を自動化にすることで患者様の本人認証や採血管準備にかかる時間が短縮され、採血までお待ちいただく時間も減るかと思います。
- 採血、検尿のみの患者様へ
診察科から基本カード(オレンジ色ファイル)を受け取り中央採血室にお越しのさい、順番カードをとり番号を呼ばれるまでお待ちください。患者様から採取された血液、尿はダムウェータ(搬送エレベーター)で1階の検査に運ばれます。 - 手術前の患者様へ
採血および生理検査を1階の検査室で行います。(30分ほど時間がかかります) 検査科にくる前は、検尿検査がある場合がありますので、トイレは少し我慢してください。
検査の種類
血液検査
赤血球数、白血球数、血小板数の算定やヘモグロビン濃度の測定により貧血の有無を調べ、血球形態を顕微鏡で鏡検することで血液疾患病態のチェックができます。また血液の凝固能を調べ、経口抗凝固薬(ワーファリン)療法のコントロールとなる検査をしています。
生化学検査
最新のオリンパスAu2700生化学自動分析機により、血液中に含まれる酵素や糖質、蛋白質、脂質、電解質などの検査を行っています。これにより肝臓や腎臓の機能に障害が起きているか、動脈硬化や電解質代謝異常、体内の細菌感染、炎症などを客観的に調べることができます。
一般検査
尿、便やその他体液を調べます。検尿検査により尿中の蛋白・糖・潜血反応などを調べ、尿中の細胞や、固形成分を顕微鏡で観察することで腎臓の機能を調べます。便検査では便潜血検査で大腸ガン検診を行う検査もしています。
心電図
心電図では、虚血性心疾患(心筋梗塞・虚心症など)不整脈、心肥大の有無などを調べることができます。また、運動をしてからの心電図を記録する検査もあります。
肺機能
肺活量と努力性肺活量の検査をおこないます。この検査は大きく息を吸ったり吐いたりして行う検査で、患者様ご本人に精一杯努力して頂かなくてはなりません。検査技師も患者様ががんばれるように、気合いをいれ号令をかけますが驚かないでください。
超音波検査
超音波検査は、人間の耳で聞くことのできない音波(超音波)を体の部位に当て、かえってきたエコー(こだま)から体の中を画像として写し出す検査です。 腹部超音波では、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓、膀胱が対象となります。 表在超音波では、甲状腺、乳腺が主ですが、その他皮下の腫瘤など様々な部位が対象となります。心臓超音波では、心臓の大きさ、心筋の厚さ、弁の動きと形態、異常血流量の有無を調べます。
- 輸血検査
手術や貧血の治療に輸血を実施する際、日赤血液センターが献血から作られた血液製剤との適合性を調べる血液交差適合試験を実施します。
自己血輸血・・・手術を受ける患者様本人から手術に備え数週間前から採血を行い、手術時に必要に応じて使用すること。 - 生理検査
当院では心電図・24時間心電図・肺機能・脳波・超音波検査、筋電図等を実施しています。患者様に電極等をつけ直接情報を得る検査です。
臨床検査基準値について
検査の値が高い、低いことに一喜一憂している方はたくさんいらっしゃると思います。この検査値とはどのようなものでしょうか。
これは「基準範囲」というもので以前は「正常値」と呼ばれていたものです。この範囲に入っていればともかく健康であろうと判定されるわけです。
この基準範囲はどうやって算出するかというと、例えば健康と思われる人を100人集めます。その95人が入る範囲を基準範囲として設定するわけです。つまり健康と思われる人であっても5人くらいは基準範囲からはみ出してしまうのです。なぜ100人全員が入る範囲にしないのかというと、それでは範囲が広くなりすぎて異常な人を見落としてしまう可能性が高くなってしまうからなのです。
さて例えば20種類の検査を測定した方がいたとします。そのすべてが基準範囲に入っている確率は計算上36%になります。つまり6割以上の人が何らかの異常が認められてしまうことになるのです。いずれにしても検査値というのはその人の体を客観的に見る目安となる物ですが、大事なのは以前(前回)と比べてどうなのかということであり、基準範囲はあくまでも目安に過ぎないと言うことです。
検査科Topics
1階検査待合室ができました。ミニ和庭園には、看護部長が手掛けたお花もあります。検査科カウンターには検査科職員がボランティアで作ったかわいいお花のアレンジもあります。